実印と銀行印の違い

実印と銀行印の違いは何?

実印と銀行印の違いは何? はじめに

個人のお客様は、印鑑登録用の実印、口座開設の銀行印、様々な書類用の認印大きく分類して3つカテゴリーがございます。 当店でも「実印」「銀行印」「認印」とカテゴリー分けをしてご注文を承っております。 しかしながら、はんこ屋が言う「実印」「銀行印」「認印」と実際の用途が異なることをご存知でしたか? 今回は実印と銀行印の違い、そのカテゴリー分けについて解説いたします。

実際のカテゴリーは何が正しい?

実は実印として自治体に登録したものが「実印」。 銀行に届出をした印鑑が「銀行印」。 どこにも届出をしていない印鑑で書類に捺印するものを「認印」と呼びます。 フルネームだから「実印」という分けではありませんし、 銀行印だからと言って「姓か名」のどちらか一方である必要もありません。

なぜ、はんこ屋はカテゴリー分けをする??

でもはんこ屋って「実印」「銀行印」「認印」とカテゴリー分けして販売していますよね? その理由はお客様によって大事な要素であるセキュリティーと、 はんこ屋にとって重要な商売的なことと結びついています。 まずはセキュリティー的な要素としては以下が挙げられます。 ○フルネームを彫った方がご本人さましか使用する権利(機会)がない。 ○文字数が多い方が少ないものよりも偽造をしづらい。 次に商売的な要素は以下が挙げられます。 ○フルネームだと3〜5文字のお名前が多い。対して姓か名だと1〜3文字が基本。 製作をする上でより手間がかかるので、より高く売れる。ないしは時間がかかる分、高く設定せざるを得ない。 以上の要素を加味して、実印はフルネームをおすすめするようになったと考えています。

はんこ屋のカテゴリー分けは。。。

フルネームで彫刻したものを「実印」。 姓か名のどちらか一方を彫刻したものを「銀行印・認印」と呼んでいます。 実店舗・HPどちらも上記の条件でカテゴリー分けをしております。 よくあることですが、お名前だけの彫刻なのに「実印」のカテゴリーからご注文をいただきます。 この場合は、タテ・ヨコのレイアウトを選ぶことができないので基本は「お任せ」に変更した上で彫刻をいたします。 もちろん、カテゴリーを銀行印に管理画面から修正しますので、数百円〜数千円安くなります。 なかなか印鑑の注文に慣れている方も多くはいらっしゃいませんので、 「実印を作る」となると「実印」のカテゴリーから頼んでしまいますよね!? 分かりづらいから同じ印材で同じサイズなら同じ値段にしろと言う声は承知しておりますが、 手間(作業量・難易度)の関係することなのでご理解いただければと思います。

余談ですが

銀行印だと姓か名にするのが一般的ですが、セキュリティーを考えると私はフルネームでも良いと感じています。 実印と銀行印を分けておくことで紛失や枠が欠けた時に、どちらか一方は無事であるメリットがあります。 それぞれ一本ずつ作るのも良いですが、大切に扱う自信があったら一本で実印・銀行印を兼ねることもアリです。 二本作る費用を一本にかけることで、考えていた印材よりもランクの良い印材をお買い求めいただくことができます。 または藤原流篆書のオプション書体にしてみたり。 良い印材にしたから耐久性が大幅に上がったり、ましてや運気が良くなるものではありませんが、 良い買い物をした!なんか自慢したい!!捺印するのが楽しみだ!! 気分が良くなったり、自信が湧いたら良くないですか!? 大切な決断を印す、はんこによってお客様の人生が豊かになるお手伝いができれば嬉しく思います。

実印と銀行印の違いは何? まとめ

フルネームで彫刻したものを「実印」。 姓か名のどちらか一方を彫刻したものを「銀行印・認印」と呼んでいます。 実印としてお使いいただく場合でも、姓か名だけの彫刻でしたら「銀行印」のカテゴリーからご注文ください。

 

手彫りってそんなに大事?

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。
ついでに少し手書き文字・手彫り仕上げ印鑑天章堂の宣伝もさせてもらえればと思います。

皆さまが気になるのはよく聞かれますので製造方法だったりしますよね?
「手彫り」「完全手彫り」「コンピューター彫刻」などの言葉を見たり、聞いたりしたことありませんか?
おそらく大多数の方が、見たり、聞いたりしたことがあると思います。
「手彫り」「完全手彫り」って言葉、なんとなく良いものだ~ってイメージありませんか? ご安心ください!
その認識はだいたい合っていますよ。「ただし」がつきますが。。。
今回はその「ただし」についての説明をさせていただきます。 みなさまの印章選びのお役に立てたらと思っています。

言葉の整理から

まずは「手彫り」「完全手彫り」「コンピューター彫刻」って言葉について整理してしましょう。

コンピューター彫刻について

「コンピューター彫刻」は、彫刻機と彫刻ソフトをフル活用した製作方法です。 ざっくりと説明すると、PCの彫刻ソフトで「彫刻する名前」を入力してそのまま彫刻することを言います。 操作方法さえ教えれば「素人」でもできます。 また、同型印を作ってしまうリスクがあります。

手彫り・完全手彫りについて

次に「手彫り」「完全手彫り」は言葉の通り、彫刻作業を「手作業」で行うことを指します。 なんか手間をかけて作っているのだから、「良いもの」ができそうですが。。。 ここで重要なのは、手作業だから「良いもの」を提供できるわけではないと言うことなんです。 余談ですが「手彫り」の定義って、曖昧で印刀で少し触っただけでも「手彫り」って謳えるんですよ。 送料込みで5,000円以下の「手彫り」はこの部類であると断言できます。 おそらく字入れも「PC」に依存しているはずです。 ↑印章組合で定義をしていますが、あくまで業界の決め事なので法的な拘束力はありません。

ここまでの説明でお分かりになった方もいるかと思いますが、 確かに枠が欠けにくい、朱肉の離れが良いというメリットが「手彫り」にはあります。 しかしながら彫刻作業ってあくまで製作工程の一部分に過ぎないってことです。 「手彫り」「完全手彫り」という謳い文句が伝わりやすいので、売り文句しているだけです。

製造方法

手彫りであることよりも大事なこと

では、何が大切なのか?というと。。。 それは字入れ(デザイン)です。 お客さまのお名前と、ご注文いただいた直径サイズに どのようにレイアウトするのか? どんな字を入れるのか? どのようにアレンジをするのか? 与えられた字の組み合わせで、 「レトロにするのか?」「しなやかにするのか?」「迫力を出すのか?」 大切なのは、そちらの方です。 手彫り印鑑

だから手書き文字・手彫り仕上げ

当店では、大切な作業だからこそ「字入れ」の作業を手書きで行います。 一文字・一文字、組み合わせを考えます。 手間はかかりますが、何度も何度も書き直します。 「レトロにするのか?」「しなやかにするのか?」「迫力を出すのか?」。。。 設計図がいい加減では、良い建物が建たないのと同じです。

荒彫りは機械・仕上げは手彫り

ちなみに当店では「荒彫り」という作業は彫刻機で行います。 デザイン通りに彫刻をする工程ですので仕上がりの成否には関わりません。 ※この工程に機械を導入することで、時間短縮ができ、コストも下がります。 8割ほど荒彫りをした後に「手彫り」で仕上げ作業を行います。 デザインをイメージに向け整えていきます。 整えるだけでなく他にも以下のことを意識して行います。 独特の風合いを出す。 朱肉の離れを良くしたり、枠を欠けにくくします。  

失敗しない書体選び

印鑑選びって印材ばかりが注文されがちですけど、実は一番大切なのは書体選びだと私は考えています。 基本的にどの素材でもある程度、丈夫な材質なので印鑑に使用されています。 本柘が一番リーズナブルなので脆いと思われる方が多いのですが、大事に使用すれば長年の使用に耐えられます。 もちろん物理的な衝撃(落とす、ぶつける)が加わると枠が欠けたりします。 扱いには注意が必要ですが、必要以上に耐久性を意識しなくても良いと思います。

大事なのはどんな文字か

材料よりも印面にどんな文字がデザインされるのか? 大事なのはそこです! せっかく奮発したのに、文字がイマイチだととても残念な気持ちになります。

ご注文前にご相談ください。

HPでもブログでも少しでも参考になればと色々書かせていただいていますが、あくまで参考資料程度です。 実際に自分の名前だと、篆書・八方篆書のどちらが向いているのか?せっかく作るのだから知りたいですよね。 そんな時は注文前に当店に電話でご相談ください。 詳しいものが外出していると事務スタッフが応対することがあり、適切なアドバイスができないこともあるかと思いますが、その場合は必ず折り返します。 また、メールでも結構ですので、事前にご相談ください。

ざっくりですが、イメージをお見せすることもできます。

以前に手書き印影で事前印影確認サービスというものをやっていた時期はありましたが、おかげさまで、そこまで手が回らなくなっているのが現状です。 どうしても!?というお客様にはデザインソフトで簡易的に作成してメールで確認いただくこともできます。 ↑あくまで簡易的なものですので、実際のアレンジとは多少異なります。それでも風合い・イメージは掴んでいただけると思いますので、失敗しない書体選びのお役には立てると思います。

文字には制約があります

文字には基本的な形があります。 この横棒をもう少し長くして欲しい。 スペースを埋めるために、この線を曲げて欲しいなどのご要望を言われることがあります。 観賞用なら良いのですが、印鑑の機能を欠いてしまう恐れがありますので、対応できません。 デザイン校正ではなく、イメージを持っていただき、安心していただくことが目的です。 上記のことあらかじめご了承ください。 ※基本的にご注文時に納期が決まってしまいますので、書体についてのご質問・ご要望は必ず注文前にご相談ください。 ※藤原流篆書・法人印各種はデザインソフトの機能上の問題から簡易イメージはご確認いただけません。

実際の仕上がり品と簡易的なイメージ確認と誤差について

実物を比較してどの程度参考にするべきか、失敗しない書体選びの判断材料にしてもらえればと思います。

簡易イメージ篆書←簡易的に作成した篆書「徳川家康」
仕上がり品 篆書  ←仕上がり品の篆書「徳川家康」
簡易イメージ八方篆書←簡易的に作成した八方篆書(印相体)「徳川家康」
仕上がり品 八方篆書 ←仕上がり品の八方篆書(印相体)「徳川家康」

異なると言えば異なりますが、イメージを掴むことに関してはお役に立てると思いませんか? 簡易イメージはどうしても既成フォントを使用していますので、文字に選択肢がありません。 実際には辞書で文字を調べて使用可能な印篆・小篆を組み合わせて、バランスを見ながら文字を手書きしていきます。 その辺りで違いがどうしても出てくることは、ご了承ください。 あくまでイメージを掴んでいただくことが目的です。 仕上がり品はさらに良いデザインにしていきますので、そこの塩梅は職人にお任せください。 wikipedia 篆書体

 

書体についてのご説明

藤原流篆書の説明

藤原流篆書

藤原流篆書は、印篆を小篆調・小篆風に独特の雰囲気の文字を使用します。 時には金文・古文等の字を用いたりして文字の芸術性をより表現します。 また篆刻を意識し、文字の形態に遊び心を入れたオリジナルの書体です。 試行錯誤を重ね生み出した職人魂の結晶とも言える書体です。 他の印章店では真似が出来ないものですので、偽造される可能性はほぼありません。 少々価格は上がりますが、デザイン性・セキュリティー面からもおすすめの逸品です。

八方篆書(印相体)

八方篆書(印相体)

印相体は、篆書体から進化させた書体で八方篆書体とも呼ばれています。 字が八方に広がっているようなカタチから 「八方広がり=開運印相」としてもよく用いられております。 諸説ありますが歴史的にはまだ浅く、戦後に普及された書体です。 縁起が良いかどうか、運が向いてくるかどうかについては、根拠がありません。 当店では姓名判断などは行いませんし、鑑定書も発行しておりません。 画数の多い、少ない文字が混在している方。平仮名・片仮名の文字をお持ちの方。 他にも読みづらくしたい方などのご要望に応えるのに適した書体です。 優れたデザインの選択肢の一つとして、この書体を扱っております。

読みづらい印影になりますので、セキュリティ的に優れています。

字画が少ない文字と多い文字が混在している方にはおすすめです。 理由は空間を埋めるアレンジをしやすいことが挙げられます。

読みやすい書体がお好きな方にはおすすめできません。

篆書

篆書体

元来中国から伝わってきた印章。 四千年近い歴史を持つ漢字ですが、 「甲骨文字(こうこつもじ)」から 「金文(きんぶん)」 次に「大篆(だいてん)」と派生しました。 「大篆」ではまだ字画が複雑で書くのには不便であったため、 秦の始皇帝の命により「小篆(しょうてん)」が作成されました。 その「小篆」が、印章では一般的に「篆書体」として用いられている書体です。 日本銀行発行のお札に押されている印鑑もこの書体です。

スッキリした印影がお好きな方にはおすすめです。

女性的な柔らかさを出したいなら、こちらの書体の方が適しています。

字画の多い文字と少ない文字が混在している方に注意が必要です。 理由はバランスが取りづらく、イメージと異なる可能性があるためです。

字割(レイアウト)に関して「タテ」を希望される場合は、横長に潰れた印象になってしまいます。

古印体

古印体

日本の古来から印章に使われている書体で「隷書(れいしょ)」から変化した書体です。

「読みやすい印 影のはんこを」という方にオススメしております。 出来合い印に最も使用されている書体です。 オーダーメイドでつくる、 重要な「実印」などにはあまりオススメしておりません。

読みやすい印影になりますので、認印などには最適です。  

まとめ

失敗しない書体選びは、まずはご相談をいただくのが一番です。 お電話、メール、ご来店など方法は問いません。 ご注文前にご相談いただくことをおすすめいたします。 皆さまの大切な瞬間にご使用になる「一生モノの印鑑」を作成できればと思います。  

 

手書き文字・手彫り仕上げ印鑑 天章堂公式HPは以下から直接ご覧いただけます。

手書き文字・手彫り仕上げ印鑑天章堂

国分寺市印鑑条例(外部リンク)