はじめに
彫り直し(改刻)とは現在印面に彫刻がされている印材を再利用して、新たな印面を彫刻することです。
姓が変わった際や、親族の形見などで印材がお手元にある際など、思い入れのある印材を活用して頂くことができます。
今回は印鑑の彫り直しについての説明をさせていただきます。
注)2021年8月 「印鑑の彫り直しについて」
2022年9月「改刻(彫り直し)で古い印面も残せますよ!」の記事の内容を合わせて、リライトしております。
どんな材料が彫り直しできるのか?
どの印材でも彫り直しができるかというと、そうではありません。
本柘など木製印材は朱肉の油分を多く吸っているので、強度が落ちているケースがあります。
また、黒水牛・オランダ水牛などは乾燥が進んでいるケースが多いので、
ひび割れなどのトラブルが起きる可能性が高いので、彫り直しは行いません。
コストの面から考えても、本柘などの木製印材・黒水牛・オランダ水牛はそこまで高額な商品ではありませんので、新品をご購入いただく方がお安くなります。
彫り直しは新品の印材よりも、印面を削る作業があることと、印材のコンディションを見ながらの作業になりますので手間がかかります。
そのあたりの作業料が価格に含まれますので、決して新品よりもお得に購入できるわけではございません。
※印章店の中には木材でも水牛でも彫り直しを受け付けている店舗もございますが、当社は行いません。ご了承ください。
彫り直し(改刻)可能な印材
ご利用いただくお客様は、形見などの思い入れのある印材であることが大半です。
ちなみに当店では、彫り直しをさせていただく印材として「象牙」「宝石印各種」を対象とさせていただいております。
「象牙」「宝石印」は印材自体が、高価なものです。
手間のかかる分の作業料をいただいても、新品と同じくらいか、少しお安く提供できるのでお受けさせていただいております。
チタンの彫り直しについてお問い合わせをいただくことが時々ありますが、正直メーカーによって微妙に純度が異なるので、トラブル防止の観点からこちらも現在はお受けしておりません。
○彫り直し可能印材:象牙・宝石印全般
○彫り直し不可印材:本柘・彩樺・黒水牛・オランダ水牛・チタン各種
彫刻可能かどうかは要確認です
お持ち込みいただく象牙・宝石印をどんなコンディションのものでも、できる限り改刻させていただきたいとは思っているのですが、
残念ながらコンディションによっては彫刻できないものもあります。
まずは現物をお持ちいただくか、送っていただければ、彫刻可能かどうか回答させていただきます。
(※往路の送料はお客さまのご負担となります。彫刻不可でお返しする際の送料は当社負担となります)
なお、法人印(回文・角印)は彫り直しを承っておりません。
印面のクラックは事前承諾が必要です
彫り直し可能と判断させていただいても細部を彫刻する段階で、手元に光を当てて彫刻するのですが、どうしても電球の熱が加わってしまうため、乾燥が進んだ印材ですと印面にクラック(ヒビ)が入ることがあります。使用には問題なく多くの場合は気づきもしない程度ですが、事前に判断することは困難なため、クラックについて事前にご了承いただける方のみ改刻させていただきます。万一、クラックが入った場合も、返品・交換・値引きなどには応じられません。予めご了承ください。
いろいろと制約があって面倒なので申し訳ないのですが、このあたりのことをご了承いただければ、思い入れのある印材に新しい歴史を刻むことができます。あまり取り扱っているはんこ屋がないので喜んでいただけると思います!
彫り直す前ので古い印面も残せます
通常の彫り直しでは古い印面をトクサと呼ぼれるヤスリに押し当てて削って行きます。
その場合は彫ってある印面(古い印面)は無くなってしまいますが、
加工所で切断すれば古い印面を残すことも可能です。
残すだけでなく柘の印材で継いで保存しておくことも可能です。
相続の手続きで古い印面を使用する可能性がある場合はこの手を使います。
上の写真は切断した古い印面に柘を接着したものです。
象牙部分だけでは押しにくくて仕方ないですし、見た目も良くはありませんから再活用をお考えの場合はご相談ください。
切断する場所は象牙のコンディションによって変わってきます。
何ミリでとはご指定はいただけませんが、
なるべく新たに作る方を長く残したいので必要最低限の長さで切断させていただきます。
対象印材は象牙のみとなります。宝石印ではご利用いただけません。
納期については加工所に出す関係で通常よりも少しお時間をいただきます。
ご要望の際はぜひご相談ください。
注文方法は
以下のいずれかの方法でご注文(お問い合わせ)できます。
①ご来店いただける場合は、直接お持ち込ください。
詳しいものが複数人で彫刻可能かどうかを確認しますので、
ご来店いただいた時点では受付が完了いたしません。
注)先代と私の両方で判断をしますので、お預かりすることになります。
彫り直しができない不可の方が珍しいので、ほとんどの場合はお受けできております。
②郵送などで送ってください。
携帯番号とEメールアドレスを必ず同封してください。
彫刻可能・不可のご連絡をEメールでさせていただきます。
その際に彫刻可能でしたら、ご注文手続きができるURLも送付いたします。
まとめ
印鑑の彫り直し(改刻)は熟練した職人でなければできない仕事です。
天章堂には労働大臣賞を受賞した熟練の職人がおりますので、安心して彫り直し(改刻)サービスをご利用頂けます。
お手元に象牙印材、宝石印材がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
手書き文字・手彫り仕上げ印鑑 天章堂公式HP
彫り直し(改刻)の説明・価格ページ
上記をお読みになって、お問い合わせはこちらから(Google Form)